久々に会った人が「老けたなぁ」と感じることがあります。それは目元のしわが原因かもしれません。
「目は口ほどに物を言う」とはよく言ったもので、目の周りの印象は顔全体の印象を決めるほど大きく影響します。
しかも、目の周りは老けやすい条件がそろっていてしわができやすいので要注意なんです!
初期の小じわレベルなら自分の努力しだいで改善できます。ただし、正しいスキンケアの方法でやらないとしわを増やすことになりかねません。あなたは目の周りの正しいスキンケアに自信がありますか?
目元はしわができやすい!?
間違ったスキンケアでしわが増える!?
25歳前後からなんとなく目立ち始める目の周りのしわ。おでこのしわ、ほうれい線など、年々増え続けるしわはいろいろあれど、もし女性が得に気になるしわランキングなるものがあったとしたら、目元のしわは必ずトップになるに違いありません。
若い頃は、笑うと目元のしわがかわいいね-と言われても誉め言葉に思えたけど、段々それは笑えない事実として女性の心を突き刺す言葉になります。
しわはどんなしわでもやっぱり目立たないのがいいに決まっているのです。
それでは突然ですが、ここで「あなたの目元のしわチェック」を行ってみましょう。
目の周りの肌に関して次の項目が当てはまるかどうかチェックしてみてください。
- 笑いじわや表情じわが気になる
- 目尻のラインが目立つ
- 肌のハリ・弾力がなくなってきた
- 肌が乾燥しやすい
- 肌がごわついて柔らかさが減ったようだ
- 目元のメイクがすぐにヨレよれたり崩れやすい
- タバコを吸っている
- 睡眠時間が6時間以内
どうでしたか?
当てはまるものが1個? 2個? それとももっとありますか?
実は、上の項目が1つでも当てはまったら要注意!
まだしわがないと思っている人でも、間違いなく目元のしわ予備軍に入っています。
せっかく毎日時間をかけてスキンケアをしているのに、どうしてしわができるのでしょう?
でも、もしかするとその間違ったスキンケアが、目の周りのしわをできやすくしているかもしれません。
毎日のスキンケアで目元にしわを作らない方法を知ることは、何より大事です!
正しスキンケアで目元のしわを作らない、増やさない、目立ちにくくする方法を実践しましょう。
そうすれば、5年後、10年後に「やっててよかったぁ」と思える日が必ずやってきます。
まずは、目の周りの皮膚のことを正しく知ってどんな場面でも自分で正しく応用ができるようにしておくと、これからのスキンケアで迷うことがなくなり、さらに効果が出ればそれは益々楽しくなることでしょう。
まぶたの構造による要因
まぶた以外の皮膚は、筋肉に支えられていますが、まぶたは眼球の上に薄い皮膚が乗っているだけの不安定な構造をしています。それは、まぶたが眼球を保護し、瞬きしやすいように薄く作られているからです。
このまぶたは、薄い作りの上に、瞬きや表情の変化によって良く動くので、表情じわができやすい場所です。
私たちの目元を支えているのが眼輪筋という筋肉ですが、この眼輪筋が加齢によって弱くなってくると、それにつれてまぶたがゆるみ、目元にたるみが発生します。
元々薄い構造のまぶたは、支えとなる眼輪筋が弱ればたるみやすくなります。皮膚が厚いほほや骨がしっかりしているおでこに比べ、上まぶたも下まぶたもすぐにたるみが目立ちやすいのは、それらがしっかりとした骨や皮膚ではなく、眼球の周りにある薄い皮膚だからです。
皮膚が薄いまぶたは、水分を維持する機能も低いので水分維持が難しく乾燥が目立ちやすく、特にしわになりやすいのです。
このように、目の周りの皮膚は、眼球の上にあること、そのために良く動くように薄く作られているので、しわになりやすくたるみやすいデリケートな部分です。
体調やコンディション、年齢による影響がすぐに表れやすいのも、これが原因です。
目元は表情じわができる場所
顔の筋肉を鍛えてたるみを予防しましょう!という、顔の筋肉を動かす体操をしたことはありませんか?
私たちの顔には約20種類の筋肉が存在すると言われています。体の他の場所にある筋肉と異なるのは、顔の筋肉は感情、表情によって動かされる筋肉である点です。
顔の筋肉を収縮したり弛緩することで、私たちは喜怒哀楽といった感情を表現しています。
表情じわとは、同じ感情表現をした時、ほぼ同じ場所の筋肉が動かされてできるしわです。
笑ったときにいつも似たような場所の筋肉が動かされ、それに伴ってしわができます。これが表情しわです。
0歳から始まって何十年もこの動作を繰り返すうちに、表情しわはしっかりくっきりと刻み込まれ、その表情をしない時でも表れるようになります。
例えば、カラスの足跡と言われる目尻のしわやほうれい線、怒ったように見える眉間のしわやおでこに横たわるしわ。怒っていないのに不機嫌そうで起こっているように勘違いされたり、老け顔に見える目の周りのしわは、女性たちにとっての大敵です。
特に、目の周りのしわは、表情しわができやすい上に、皮膚が非常に薄いという構造上の特徴から、若くてもしわができやすいので要注意です。
目の周りのしわができる外的要因
目の周りにしわができる外的な要因もあります。
1.外的環境による影響(外的環境因子)
大気中に有害物質が多く含まれる現代は、肌にとって良くない要因がたくさんあります。
肌老化の一番の原因とも言われる紫外線、PM2.5を始めとする有害物質、花粉、ちりやほこり等。
そして、大気が乾燥して湿度が低くなる状態も肌に悪い影響を与えます。
2.紫外線が肌に及ぼす肌老化
外的要因の中で、特に紫外線は肌への悪影響が強いので詳しく紹介します。
紫外線は私たちの生活になくてはならないもので、紫外線の殺菌効果は私たちの生活でさまざまな恩恵を与えてくれています。しかし、毎日の生活で浴びる紫外線によって、肌は光老化と呼ばれる劣化現象を起こします。
肌老化は、年齢によるものではなく紫外線による光老化が80%を占めるともいわれるくらい、肌にとって紫外線は悪影響があるのです。
紫外線と言えば美白、シミ対策の間違いじゃないの?という人もいらっしゃるかもしれませんが、実は紫外線はもっと肌の奥まで重大な影響を及ぼしています。
紫外線が肌に及ぼす影響によって、2種類の紫外線が取り上げられます。
紫外線UV-A波とUV-B波です。
① UV-A波
UV-A波と呼ばれる紫外線A波は、波長が長く肌の奥の真皮層まで届いて、コラーゲンやエラスチンなどの肌の弾力を作る大事な組織を壊します(サンタン)。
すると、コラーゲンやエラスチン、その間にあるリコサミノグリカン(酸性ムコ多糖体を表し基質とかマトリックスなどと呼ぶ)を変質させ、劣化させたり量を減らします。
それが長期間続けば、皮膚を下から支える土台部分が崩れ、次第に肌のハリが失われ、弾力も失われていき、しわができます。また、それだけでなく、紫外線は細胞のDNAにダメージを与え病気を引き起こす原因にもなります。
② UV-B波
紫外線B波と呼ばれるUV-B波は、波長が短いので肌の奥までは届きません。日焼けをすると、肌の表面が熱を帯びて赤くなります(サンバーン)。これがUV-B波の影響です。
UV-B波はコラーゲンなどへの影響はありませんが、メラニン生成を促しシミの原因になるのでしっかり予防する必要があります。
このように、肌にダメージを与える紫外線は、天気の良い日の方が多く降り注ぎますが、その他の日でも決して届かないわけではありません。
快晴の日を100%とした場合、快晴の日の日陰では50~80%、雨の日は20~30%、曇りの日は、50~80%降り注いでいると言われていいます。シミ、しわを作らないためにも1年を通してUVケアは絶対に欠かせません。
目の周りのしわは小じわのうちにケアすべし
目の周りはしわになりやすい要因が、屋内でも屋外でもたくさんあります。
一口にしわと言っても、しわにはその程度によって小じわ、深いしわ、たるみとしわの状態によって分類されます。
私たちが、自宅でケアして悪化を防げるのは小じわの段階です。それ以上しわが深くならないように、小じわができる原因を知って正しいケアしたいです。
しわの種類
1.小じわ
小じわができる原因は、ずばり!水分不足です。
小じわは、軽度のしわで、空気が乾燥して一時的にできる場合もあれば、年齢が進み肌の水分維持機能が低下してくる20代後半から30代になると、徐々に乾燥しやすくなり、小じわができることが増えてきます。
目尻にできるカラスの足跡を始め、口元にもできやすいです。
小じわの原因は、角質層の水分を補うことが大事です。角質層に常に十分な水分が保てるようなスキンケアを心がけましょう。
また、角質層は約28日くらいで新しい細胞に生まれ変わる仕組みを持ち、それをターンオーバーと呼んでいます。
加齢や紫外線の影響を受けると、ターンオーバーが乱れ、正常な角質が維持できなくなります。すると、角質が厚くなる角質肥厚を起こしたり、角質層に十分な水分量が無くなったりして、角質層の柔軟性が失われてしまいます。
すると、それが皮膚表面に細かいひだや溝を作りそれが小じわに見えます。
水分不足の状態が長く続くと、表情じわができやすくなりって、深いしわへと移行していくので、小じわのうちに十分な保湿ケアが必要です。
2.深いしわ
乾燥による小じわが進むと、角質層がある表皮層のダメージからさらに深い真皮層へと影響が広がり、深いしわができます。
深いしわは、長い時間をかけて乾燥による小じわから、保湿しても、表情に関係なく、常に存在するしわになった状態です。
小じわは肌の最上部の角質層の乾燥を補えば改善できるのですが、深いしわに進むと真皮層まで変化が起こっているので、もはや化粧品やマッサージでは改善できないと言われていました。
深いしわができる時は、コラーゲンやエラスチンが変質したり、数が減っているので、美容クリニックの光照射やボトックス、コラーゲンの注入、プチ整形、または、エステサロンでの光照射などの処置が有効です。
しかし、2016年、POLAが発見したニールワンという成分によって、しわの原因の1つである好中球によるしわを抑制できる医薬部外品ができました。それが薬用化粧品「リンクルショット メディカル セラム ¥13,500(税別)」です。
POLAは、表情じわができるとき、免疫細胞の1種である好中球が、肌が攻撃されているから守れ!と勘違いして出す好中球エラスターゼという酵素によって、コラーゲンやエラスチンが分解されしわができることを解明しました。
そして、ニールワンは、その好中球エラスターゼと合体してその働きを阻止することができるので、コラーゲンやエラスチンの分解を止めることに成功しました。
将来的には、しわがお手軽な価格の化粧品で自宅でも改善できる時代がくることでしょう。
3.たるみ
深いしわがさらに進むと、しわ周辺の皮膚全体が弾力を失い重力に逆らうことができなくなってたるんできます。
たるみができると完全に元に戻すことは不可能ですが、深いしわ同様に美容クリニックでたるみ取りという処置はあります。また、エステサロンで光照射やプロのマッサージによって、多少の肌の引き締めによるたるみ改善は期待できます。
しかし、いずれにせよ定期的に続ける必要があり費用もかなり高額になります。
目の周りのしわのケア
化粧品でケアできるのは、小じわの段階です。目の周りに気になるしわを見つけたら、深いしわに育たないように毎日のケアが重要です。
目の周りの小じわ対策
- 水分、油分の補給を心がける。
- 角層の保湿機能を整えて乾燥を防ぐ。
- 加齢とともに失われる成分をクリームや美容液で補う。
- マッサージやパックを定期的に行う。
- 保湿性の高いファンデーションで外気から乾燥を守る。
- UVケアで紫外線から肌を守る。
足りない成分を補う
小じわを目立ちにくくするためには、水分、油分の補給が必要です。
肌は一番表面に皮脂という油膜があり、内部の水分の蒸発を予防してくれます。これに変わるのが油分補給で美容クリームです。
皮脂の下にあるのが角質層で、ここには水分と油をミルフィーユ状にして抱え込んで高い保湿効果をもたらすセラミドや、高い保湿効果がある天然保湿因子はアミノ酸でできた水分保持成分です。
これらを補給するのが、化粧水などの水分、美容液やプラセンタに含まれるアミノ酸です。
例えば、エイジングラインの保湿効果の高いスキンケアに変えて、化粧水、美容クリームや美容液、そして、プラセンタ原液を追加するのも効果的です。
パック、マッサージ
毎日のスキンケアに加えて、週に何度か行うパックやマッサージも効果的です。
マッサージの効果
- 新陳代謝の促進
血液やリンパの流れが良くなり細胞の隅々へ栄養や美容成分が行き届く - 古い角質の除去
皮膚表面の余分な古い角質や汚れが落ちると老廃物の排泄が促進される - 保湿効果がアップ
乾燥が改善されて皮膚の弾力が上がると小ジワを予防になる - 血行促進
皮膚組織が温まるので化粧水やクリームの効果が高くなる - リラックス効果
リズミカルな快い刺激で、癒し効果を得られる - バリア効果アップ
保湿力がアップすると同時にバリア機能もアップして抵抗力が高まる - 肌の成分バランスが整う
低下していた分泌腺の働きが活発になり、皮脂、水分のバランスが整う
しわを予防するフェイスマッサージ方法
しわが目立つとなんとか伸ばしたい!目立ちにくくしたい!消したい!-と願うあまり、必要以上に強く皮膚を引っ張ったり伸ばしたりしがちですが、適度な力加減で正しい方法で行わないとかえって逆効果になります。
フェイスマッサージは、顔の表情筋をほぐし顔の血行を促進させて代謝を上げ、同時にリンパの流れも良くすることで老廃物を排出しやすくして、しわだけでなく肌のシミ・くすみ改善される効果が期待できます。
1.シワ防止・改善マッサージの正しい方法
① マッサージで肌が温まると水分が蒸発するので、必ずマッサージの前には化粧水で保水をします。
さらに、指の滑りを良くするためにクリーム、美容オイルを使って、余分な力が肌にかかりすぎないように気を付けましょう。
マッサージは中指と人差し指の腹を使い、内から外、下から上へ動かすと覚えましょう。
② 額は大きい円を描くように上下にくるくる回しながらこめかみまで動かし、最後にこめかみをぐっと押さえます。この時、横じわがあれば伸ばすように、また、額を引き上げるように意識しながら行います。
③ 小鼻は中指を上下させ、鼻筋に沿ってそのまま上下に動かします。鼻の下は指を左右に動かします。
④ 口元は下がりやすい口角を引き上げるように意識して下から上へ円を描きながら動かします。
⑤ ほほは内側から外側へ大きくらせんを描くように動かしますが、下がりがちなほほをひき上げるように下から上へと力を入れましょう。
下図ではらせんが1本ですが、口元に近い方から3本くらいの平行線状にらせんを描くイメージで、だんだん目元に近づくように動かしてもいいです。
⑥ 目元は、眉頭から外側の目尻、目の下を通って目頭に戻るように指を滑らせると、クマや眼精疲労が緩和されます。
目の周りはしわができやすい部位ですが、皮膚が薄く伸びやすいので力を入れすぎないように気を付けて、優しく指を滑られる程度にします。
2.フェイスマッサージをするときのポイント
- フェイスマッサージは皮膚が柔らかくて毛穴が開いた状態で行うのが最も良い
入浴後がベストだが、洗顔後でも良い。
<注意!>
フェイスマッサージを、入浴時や洗顔時の洗顔せっけんやクレンジングをつけて行う人がたまにいるようです。
洗顔せっけんやクレンジングには、必要な皮脂や角質層を取りすぎる可能性があり、肌荒れの原因になるのでやめましょう。
- フェイスマッサージには、マッサージ用のクリームがベスト
マッサージクリームは肌との摩擦が低くなるので最適ですが、それ以外のクリーム、美容オイルを使用するときは、肌との摩擦で肌を伸ばしすぎないようにくれぐれも気を付けて行いましょう。
- フェイスマッサージは時間より回数が多い方が効果的
フェイスマッサージは、毎日1分程度でも行うと血行が促進されて効果的です。週に4日以上が理想的ですが、1日にまとめて長時間行うよりは、時間を減らしても回数が多い方が効果は高くなります。
- フェイスマッサージは、顔の中心から外側へ下から上に
フェイスマッサージは、顔の表情筋をほぐし下にたるみがちな肌を上に引き上げることを意識して行いましょう。
- 指に力を入れすぎない
中指と人差し指の腹を使いますが、指先だけを意識するのではなく、指全体を手のひら全体でマッサージするように密着させて行うと力加減が強くなりすぎずに済みます。
- 顔のコンディションに合わせて
フェイスマッサージが大事とはいえ、顔にニキビや吹き出物ができていたり、日焼けしてほてっていたり、何らかの差し障りがある場合は無理に行わないようにしましょう。フェイスマッサージには癒し効果もありますが、かえってストレスになるようなコンディションの時は、無理をしないことが長く続けるコツです。
まとめ
シミやにきび、吹き出物は、鏡で発見しやすいのですが、肌の乾燥や小じわは意外と発見しにくいことがあります。
いつも同じ顔で鏡に向かうのではなく、笑ったり驚いたりして表情筋を動かしてみると、表情じわを見つけやすくなります。
目の周りはとてもデリケートな場所なので、スキンケアをする時も、マッサージをする時もしわを増やさないようにくれぐれも優しくいたわりながらケアをするように心がけたいですね。